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仕事を離れ「私らしいキャリア」を探し求める女性たち

仕事を離れ「私らしいキャリア」を探し求める女性たち

〜育休女性・駐在妻の生き方・働き方に関する調査レポート〜

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女性向けキャリア支援事業を行う株式会社MYコンパス(本社:東京都目黒区、代表取締役:岩橋ひかり)は、育児休業の取得経験がある女性、配偶者の海外転勤に帯同経験のある女性(駐在妻)、計332名を対象とした女性のキャリア形成に関する実態調査を行いました。

■ 調査結果概要
女性活躍推進法の施行など政府の主導により、女性の働き方は大きく変化しています。しかし、本調査では、育休中または配偶者海外転勤に帯同などキャリアの転機にある女性たちの9割以上が、キャリアに対する漠然とした不安を抱えていることがわかりました。また、7割の女性が育休中・駐在帯同中でも何かを学びたいという強い意欲があり、仕事を離れた状況にあっても、自分のキャリア形成に積極的な女性たちの姿が明らかになりました。調査から得られた主なポイントは以下の通りです。

1) 育休女性の97%、駐在妻の94%が、育休中・駐在帯同中に「キャリアについての悩みや不安がある」と回答。仕事から離れた状況の中で、多くの女性たちがキャリアの悩みや不安を抱えている。

2) キャリアに対する不安・悩みの対処方法として、育休女性・駐在妻ともに「夫に話した」がトップ、「友達に話した」「本やインターネットで調べた」など個人的な対処が続く。実際に悩みや不安が軽減したかどうかについては「かなり軽減した」という人はそれぞれ20%代に留まる。

3)駐在妻の約9割が帯同前は有職、うち7割が帯同を理由に退職。所属企業に帯同休暇制度がある人は19%で、交渉をしても休職が認められないケースがほとんど。配偶者(夫)の海外転勤が、女性のキャリア形成に大きな影響を与えている実態が明らかに。

4)育休中・駐在帯同中に「自分のキャリアや興味・関心分野の学びや活動の時間を取った」女性は約7割。仕事から離れた環境でも、自分の生き方・働き方を考えることや学びに積極的な女性たちの姿が伺える。

5)育休中にしておけばよかったこととして「キャリアの棚卸し、今後のキャリアを考えること」を挙げた人が約6割。育休中に、復職直後の仕事や生活のことよりも、自分の生き方や働き方を中長期的な視点で考えておくことが、育休中〜復職後のキャリアの満足につながると考えられる。
(以下、育児休業の取得経験がある女性を育休女性、配偶者の海外転勤・駐在に帯同経験のある女性を駐在妻と表記。)

■ 調査結果詳細:
1)育休女性の97%、駐在妻の94%が、育休中・駐在帯同中に「キャリアについての悩みや不安がある」と回答。仕事から離れた状況の中で、多くの女性たちがキャリアの悩みや不安を抱えている。

「育休中に将来のこと、復職後のこと、自分のキャリアのことなどで、悩んだり不安になったりしたことはありますか?」と尋ねたところ、97%が「悩んだり不安に思うことがあった」と回答(図1-1)。駐妻に対しても「キャリアについての悩みや不安を持っていますか?」と同様に尋ねたところ、「はい」と回答する人が94%でした(図1-2)。育休や配偶者の駐在帯同といったタイミングで、女性たちが大きなキャリアの悩みや不安を抱いていることが分かりました。

【育休女性のキャリアの悩み】
具体的にどのようなことについて悩んだり不安に感じたりしているかという質問に対しては、「このままで良いかという将来に対する漠然とした不安」「今の仕事は、育児と両立するには負担が大き過ぎるのではないか(通勤時間や仕事内容)」が共にトップで、育休女性の4割がこうした悩みを抱えていることが分かりました。復職後の具体的な仕事や生活の悩みよりも、自分自身の生き方・働き方全般に対してより大きな不安があることが明らかになりました(図1-3)。
またこうした自分の働き方や仕事については、育休女性の58%が「育休前から考えていた」、36%が「育休に入ってからよく考えた」と回答しています。育休が一つのきっかけとなって、自分の生き方・働き方について考えるケースも多いようです(図1-4)。

【駐在妻のキャリアの悩み】
同様に、駐在帯同中のキャリアの悩みや不安について詳しく聞いたところ、「帰国後にまた働けるのか不安」「帯同期間がキャリアのブランクになりそうで不安」が上位2つにあがった。現状に対しての不安(「働きたいのに働けない」)以上に、帰国後の自分のキャリアについて大きな不安を抱いています(図1-5)。

2)キャリアに対する不安・悩みの対処方法として、育休女性・駐在妻ともに「夫に話した」がトップ、「友達に話した」「本やインターネットで調べた」など個人的な対処が続く。実際に悩みや不安が軽減したかどうかについては「かなり軽減した」という人はそれぞれ20%代に留まる。

【育休女性のキャリアの不安や悩みの対処】
キャリアの不安や悩みの対処法として「夫に話した(59%)」「友達に話した(47%)」「本やインターネットで調べた(43%)」が上位にあがり、職場や専門家への相談は10%代と低いレベルです(図2-1)。
またその対処による効果については「かなり軽減した」は20%、「少し軽減した」が59%で、対処を試みても「変わらなかった」と回答した人が21%でした(図2-2)。

【駐在妻のキャリアの不安や悩みの対処】
キャリアの不安や悩みの対処法としては「夫に話した」をトップに、「本やインターネットで調べた」「帯同中・帯同経験のある友達に話した」が続きました(図2-3)。
なお、そうした対処の効果については「かなり軽減した」は26%、「少し軽減した」が40%で、「変わらなかった」という人が34%に上っています(図2-4)。
育休女性・駐在妻ともに、キャリアの悩み・不安の対処法は、個人的な関係で対処することが多く、根本的な解決にはあまり繋がっていないことが伺えます。職場や専門家などによるサポートや、女性たちのニーズに沿った解決方法が必要であると考えられます。

3)駐在妻の約9割が帯同前は有職、うち7割が帯同を理由に退職。所属企業に帯同休暇制度がある人は19%で、交渉をしても休職が認められないケースがほとんど。配偶者(夫)の海外転勤が、女性のキャリア形成に大きな影響を与えている実態が明らかに。

駐在妻の88%が、帯同前は何らかの形で就業していたと回答。正社員だった人も69%に上っています。(図3-1)しかし、帯同を機に退職した人が70%に上っていることから、帰国後のキャリアに対する不安により影響を与えていると考えられます(図3-2)。また、帯同休暇制度について尋ねたところ「制度がある」は19%で、制度が導入されている企業は限られている現状です(図3-3)。
所属企業に帯同休職制度がないため休職の交渉をした人もいましたが、交渉したと回答した38%のうち、33%が休職不可との結論となり退職せざるを得ない状況であったことが明らかとなりました(図3-4)。

4)育休中・駐在帯同中に「自分のキャリアや興味・関心分野の学びや活動の時間を取った」女性は約7割。仕事から離れた環境でも、自分の生き方・働き方を考えることや学びに積極的な女性たちの姿が伺える。

「育休中に、自分のキャリアや興味・関心分野の学びや活動の時間を取りましたか?」という設問に対し77%が「取った(取りたい)」、また駐在妻に対して「ご自身のキャリアや興味・関心分野について、学んだり活動したりしていますか?」と尋ねたところ69%が「している」と回答しました(図4-1, 4-2)。
育休や駐在帯同などで仕事から離れた状況にあっても、学びたいという意欲が高く、キャリアの不安や悩みに対して前向きに取り組みたい女性が多い、と考えられます。
このように学ぶ意欲のある女性たちが多く存在するのに対し、育休中に職場から研修や通信教育などの受講を勧められたかどうかについては、「そのような研修や精度はない」「勧められなかった」が全体の9割以上。「研修や学びの制度などの提供や紹介があれば利用してみたかった」と回答した人も9割以上でした(図4-3)。
なお、具体的な学んだ内容としては、仕事とは直接関係のないセミナーの受講や興味関心分野の資格取得をしたという人が最も多く80%に上りました(図4-4)。
一方、駐在妻においても、実際に行なっている学びや活動は「仕事とは関係なく自分の興味関心のある分野」に関する内容が上位2つにあがっています(図4-5)。
育休女性、駐在妻ともに、仕事に直接関係がある事柄よりも、自分の生き方・働き方を考える活動に対して積極的な姿が伺えます。

5)育休中にしておけばよかったこととして「キャリアの棚卸し、今後のキャリアを考えること」を挙げた人が約6割。育休中に、復職直後の仕事や生活のことよりも、自分の生き方や働き方を中長期的な視点で考えておくことが、育休中〜復職後のキャリアの満足につながると考えられる。

育休中にしておけば良かったと思ったものとして「キャリアの棚卸し、今後のキャリアを考えること」が59%でトップ。続いて「スキルアップ、キャリアアップのための勉強(26%)」でした。(図5-1)育休中は仕事から離れていることに対する不安から、復職後の仕事や生活に目が向きがちですが、育休期間を長期的な視点で自分の生き方や働き方を考えるチャンスと捉えて行動することが、結果的に育休や復職後のキャリアの満足につながると考えられます。
なお、現在は7割以上の職場で何らかの形で復職面談が行われていますが(図5-2)、「役に立った」と回答した人はわずか35%に留まりました(図5-3)。面談では、復職後の仕事内容や育児との両立などについて話し合っているものの、面談で伝えておけば良かったこととして「復職後のキャリアプラン」を挙げる人が42%に上りました(図5-4)。復職面談では、復職直後のことよりも、中長期的な復職後のキャリアプランについて職場とコミュニケーションすることが求められていると考えられます。

■ 調査結果をふまえて
今回の結果から、育休女性・駐在妻たちが仕事を離れるタイミングで、キャリアの大きな不安や悩みを抱いていることが明らかになりました。一方で、こうした女性たちは、自分のキャリアや興味関心分野に対する学びに対して、非常に意欲的であることもわかりました。育休から復職した直後や帰国後の仕事や生活への不安を解決しようとしても、一時的な不安解消に留まります。仕事から離れている時間を「私らしいキャリア」、つまり、復職後や帰国直後に限定しない中長期的な生き方や働き方を考える時間と捉えることが、育休中・駐在帯同中、さらにはその後のキャリア形成には有効です。
キャリア支援事業を行う弊社におきましては、本調査結果を踏まえ、育休女性・駐在妻たちの実態を深く理解し、本質的なキャリア支援策を個人や企業等に対して広く提供してまいります。

※内容に関してのお問い合わせ、また結果に関する詳細資料をご希望の方は、下記よりお問い合わせください。
>>http://mycompass.co.jp/contact/

■ 調査設計
・調査方法:WEBアンケート
・調査対象および調査期間:
<育休女性>育児休業を取得している女性、または経験したことがある女性(2018年11月1日〜7日)
<駐在妻>家族の海外転勤に帯同している女性、または過去3年以内に帯同経験のある女性(2018年12月25日〜2019年1月12日)
・有効回答数:<育休女性>170名、<駐在妻>162名 合計332名
・調査実施:株式会社MYコンパス、キャリア実践コミュニティ MYコンパスラボ

■会社情報

株式会社MYコンパス
・代表者:代表取締役 岩橋ひかり
・所在地:東京都目黒区中目黒1-1-26-105
・設立日:2017年4月
・会社サイト:http://mycompass.co.jp/